今日のネタは『ネットのクチコミ情報を鵜呑みにしない』。
インターネットは多くの革新を生みましたが、新たな問題も多数生まれました。その筆頭格が「情報の真偽が不明確」である事。詐欺サイトなどはその典型ですが、今日のネタは「ネット通販(Amazon等)や旅行予約サイト(じゃらん等)のクチコミ情報」の方。統計学上は、評価基準や手法が明確ならば、評価の星の数は平均点を中心に正規分布するのですが、現実の口コミ評価はそうならず、主に2つの特異な傾向があります。
- 平均点が高すぎる。
- 評価が平均点に集まらず、高評価(★4〜5つ)と低評価(★1〜2つ)の二極分化傾向がある。(例:Amazonの購入者評価、じゃらんの宿泊者評価)
一般消費者による評価は、その基準が曖昧です(それでいいんです)。しかも人間は満足度・不満度に影響されて評価がバイアスされる生き物。加えて口コミコメントは、その感動を皆に伝えたい方や、その不満を誰かに言いたい方が投稿する傾向にあります。期待の範囲内だったら、わざわざ口コミなんて書きません。こうした各種要素によって上述の傾向が出ると考えられます。例えば、評価点が極端な評価者のコメントを読むと、投稿者それぞれの感動場面やがっかり場面が語られていますが、それ以外の視点の評価項目までバイアスされている傾向が明確に現れています。
一方サイト運営者は、購入者・宿泊者の口コミ情報は欲しいけど、あまりに冷静さを欠いた口コミ情報は避けたいというジレンマを抱えています。様々な補正計算式を用いて、この評価点(星の数)のバイアスを抑える努力が見られます。
ネットの口コミ情報はインターネットが生んだ手軽な評価システムですが、こうした課題を抱えている事を認識いただき、特に高額商品・サービスの場合は参考情報程度に留め、最終的には自分自身で確かめる目(現場現物主義)を養いましょう。