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奥多摩町の驚きの定住支援策を発表

今日のネタは、奥多摩町が発表した驚きの定住支援策についての所感。

出典: 奥多摩町ホームページ

東京都奥多摩町が4/15に行った移住・定住相談会の一部内容が話題になっています。町が新築する賃貸住宅に22年間住めば、入居者に土地と建物を譲与する(タダで渡す)という親切制度。同日から入居者募集開始しています。具体的には、http://www.town.okutama.tokyo.jp/gyose/koho/kohoshi/h30_nendo/documents/koho_h300405_no770_part4.pdf

  • 中学生以下の子どもがいる43歳以下の夫婦で、町民か移住希望者
  • 町が所有する3つの土地(約150㎡)から入居希望者が選ぶ
  • その土地に町が木造2階建て2LDKの住宅を建築(町の予算1900万円)
  • 賃料は月額5万円だが、子ども1人あたり5000円割引される
出典: Google map.左上囲み部分が奥多摩町

大判振舞いの募集ですが、例えば東京駅周辺の勤務者には、片道2時間(42駅)の電車通勤は非現実的です。一方で近隣勤務者やノマドワーカーには魅力的かも。

実に太っ腹の募集ですが、例えば東京駅周辺の勤務者には、片道2時間(42駅)の電車通勤は非現実的です。一方で近隣勤務者やノマドワーカーには魅力的かも。
奥多摩町がここまで思い切った施策を打つ背景には、町が抱える深刻な高齢化や過疎化があるのは明らかです。実は奥多摩町は2年前、同様の施策を発表していました。当時は対象物件が中古空き家で、町がリフォーム代を半額補助(上限200万円)するというもの。前回は応募が芳しくなかったようです。そりゃそうでしょう。痛みが酷い中古物件はリフォーム代金がかさみ、400万円でも足りない事が危惧されます。たとえ半額補助があっても、そこまでしてこの町に定住したいという決め手にはなりにくかったと思います。そこで今回は、対象物件を新築に改善して再募集したのだと推測します。

大都市圏を除く全国自治体では、高齢化や過疎化の深刻度が増しています。当該自治体はあの手この手で、若い移住者の誘致合戦を繰り広げています。差別化アイデアを出せない自治体は、埋没していく運命なのかもしれません。そういう意味では、奥多摩町は立派です。結果を見守りたいと思います。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。