ぶらり関東編(439)は、土合駅(どあい駅)。群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽にあるJR上越線の無人駅です。
土合駅は上り線が地上ホーム、下り線が地下ホームという珍しい構造。これは清水トンネル開通時(昭和6年)は単線の地上ホームだったものが、新清水トンネル開通(昭和41)で複線化した際、新清水トンネル内に下り線ホームを新設したという特殊事情によるものです。その下り線ホームは地下70mにあり、地上までの階段数は462段もあり、日本一のモグラ駅というあだ名が付けられています。
ところで、地上ホームは清水トンネルと共に現在、上り線としてのみ使われています。川端康成の名作「雪国」の書き出し部分『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。』は、清水トンネルが単線(上下線で兼用)だった当時、下り線がトンネルを抜ける際の描写ですが、現在の下り線は新清水トンネルを利用するので、厳密にはこの本と同じ体験はできなくなっています。(訪問日6/9)