今日のネタは、特殊詐欺の受け子が、最高裁で有罪確定になった話し。今後は「中身が何か知らなかったので、私は無罪です。」は通りません。
最高裁判所第3小法廷は12/11、特殊詐欺事件の受け子(本件被告)に対し、「受け子が受け取った荷物の中身が詐欺被害金だと知らなかったとしても、被告が他人になりすまして繰り返し荷物を受け取り、報酬を得るなどしていれば『詐欺の故意』にあたる」旨の判断をし、有罪が確定しました。
特殊詐欺では、主犯グループが見知らぬ人をアルバイトで雇い、詐欺金の受け取りを行わせる手法が横行。この受け取り役を「受け子」と言い、被害者と直接接触するので犯罪者側にとって最もリスクの高い役割です。ところが、逮捕された受け子が「中身が詐欺金だとは知らなかった」と主張したり、詐欺電話を受けた人が詐欺だと気付いて警察に相談し、犯人を逮捕するため、現金を入れないで送った箱を受け取って逮捕された受け子が、「そもそも相手が騙されていないのだから詐欺ではない」と主張したりして、過去の司法判断が分かれていたものです。それが今回の最高裁判決によって、今後は受け子も、詐欺罪で有罪になる事がほぼ確実になりました。
私のブログをお読みの皆さんにとっては常識でしょうが、世の中には「楽して儲かるバイト」なんてありません。もしネット等で「簡単な受配送作業で高額バイト代」なる勧誘を見つけたら、それはほぼ間違いなく「特殊詐欺の受け子役」です。騙されてやった受け子で逮捕されたら、貴方は被害者ではなく「特殊詐欺の加害者」です。くれぐれもご用心を。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/302/087302_hanrei.pdf