今日のネタは急拡大する Uber Eatsに関する所感。
宅配専門のピザ店や寿司店は以前からありましたが、最近盛り上がっているのは幅広いジャンルから好きな料理の出前を取れる「総合型出前サービス」。21年前に創業した「出前館」がこのジャンルの開拓者ですが、Uber Eatsが4年前に参入してから利用者が急拡大し、楽天、LINE、NTTドコモなどが相次いで参入しています。この統合型出前サービスは「料理店、配達人、消費者」の三者のニーズをITで結びつけたことが画期的です。
- 料理店:店で料理は出すが、配達人を雇う余裕はない。
- 配達人:都合の良い時間だけ副業(出前)したい(フリーター等)、本来の配達物(新聞、乗客等)の仕事が減っているが、なんとかこの仕事を続けたい(新聞販売店、タクシー会社等)。
- 消費者:あの店の料理を食べたいけど時間がない。
しかし、急成長する業界は問題点も顕在化します。それが「配達人の立場の弱さ」。特に米国発のUber Eatsは配達人をコストとしか見ておらず、日本では問題点がでています。具体的には、
- 宅配は時間勝負のため交通ルール無視は日常茶飯事。配達人は同社ロゴのリュックを背負っているので、極めて印象悪い。
- 実際に交通事故が起きたらそれは配達人の責任(配達人は個人事業主)。※Uberジャパンは2019年9月から賠償責任保険制度を強化したことを発表。しかし同社webサイトからは詳細は読みきれませんでした。
- 配達人の待遇改善を求めて労働組合が結成される始末(ウーバーイーツユニオン )。
つまり、Uber Eatsのビジネスモデルは、中間コスト(配達人待遇)を削減しすぎ、間接的に消費者にも迷惑をかけ始めていると感じています。これは昭和中期に評判悪かった雲助タクシー(今や死語?)、もしくは同じく昭和中期に評判悪かった生命保険セールスレディと同じ構造的問題(歩合制)に原因がありそうです。
どんなビジネスモデルであっても、そこで働く人をないがしろにしては、いずれ消費者からも嫌われることになります。そうなる前に改善に向かう事を願っています。何せこのサービスは基本的には便利なんですから。