三菱電機株式会社は23日、同社丸亀工場がISO9001の認証を一時停止された旨を公表しました。
ISO9001とは、品質向上のための国際規格。ISO9001認証とは、その組織が品質向上のための継続取組み(PDCA)をルールに沿って行なっている事を、第三者機関が監査し認めた証です。多くの製造業では、製品の品質が優れていることを取引相手や消費者にアピールするためこの認証を取得しています。
今回の認証一時停止は、当該工場の生産品目の一部で不適切検査が発覚したのを受け、認証機関のロイドが同工場に通知したもの。弱り目に祟り目のような印象ですが、実はISO9001認証を持つ工場で深刻な品質問題が発生すると、認証が一時停止されるのは普通のことです。
但し影響が大きいのは、当該製品の納入先である自治体や企業が、入札条件や取引条件にISO9001認証を入れている可能性が極めて高いこと。当該製品は入札停止や取引停止に追い込まれるかもしれません。
製造業の基本は、優れた製品を適正な価格で顧客に提供し利益を得ること。顧客に嘘をついてまでして、納期やコストを確保してはなりません。顧客に背を向ければ、迷惑を被るのは顧客だけでなく、自社もその従業員もそしてその家族にまで及びます。製造業の基本に立ち返って改善されることを願っています。