今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和4年度の問14です。(独自解説のため誤解答の場合はご容赦ください。)
【問 14】 不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 所有権の移転の登記の申請をする場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。
- 所有権の移転の登記の申請をする場合において、当該申請を登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってするときは、登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由があるとみなされるため、登記義務者の登記識別情報を提供することを要しない。
- 所有権の移転の登記の申請をする場合において、登記管理者が登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をしたときは、当該登記に係る登記識別情報は通知されない。
- 所有権の移転の登記の申請をする場合において、その登記が完了した際に交付される登記完了証を送付の方法により交付することを求めるときは、その旨及び送付先の住所を申請情報の内容としなければならない。
解説 不動産登記法
- ◯ 正しい。記述のとおりです。
法第61条(登記原因証明情報の提供):権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。 - × 誤り。サービス問題。代理人が登記識別情報提供不要なら、登記識別情報の仕組みが無意味になってしまうので、本肢が誤りであることは容易に分かります。
法第22条(登記識別情報の提供):登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第1項、第2項及び第4項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。 - ◯ 正しい。記述のとおりです。
法第21条(登記識別情報の通知):登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。 - ◯ 正しい。記述のとおりです。
法第182条(登記完了証の交付の方法)第2項:送付の方法により登記完了証の交付を求める場合には、申請人は、その旨及び送付先の住所を申請情報の内容としなければならない。
という訳で、正解は2です。
民法および不動産登記法が改正され、不動産の相続登記が2024年4月1日から義務化されます。今後数年間は、これに関する出題が予想されます。