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宅建試験問題解説(R4問16)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和4年度の問16です。(独自解説のため誤解答の場合はご容赦ください。)

【問 16】 都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、この問において条例による特別の定めはないものとし、「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

  1.  市街化区域内において、市街地再開発事業の施行として行う1haの開発行為を行おうとする者は、 あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
  2.  区域区分が定められていない都市計画区域内において、博物館法に規定する博物館の建築を目的と した8,000m²の開発行為を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。
  3.  自己の業務の用に供する施設の建築の用に供する目的で行う開発行為にあっては、開発区域内に土 砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律に規定する土砂災害警戒区域内の土 地を含んではならない。
  4.  市街化調整区域内における開発行為について、当該開発行為が開発区域の周辺における市街化を促 進するおそれがあるかどうかにかかわらず、都道府県知事は、開発審査会の議を経て開発許可をする ことができる。

解説 都市計画法

  1. × 誤り。市街地再開発事業の施行として行う開発行為は、都道府県知事の開発許可は要りません。(都市再開発法による都道府県知事の開発許可を受けているので、二重許可は要らないということです。)
法第29条(開発行為の許可)第1項第6号を参照。
  2. ◯ 正しい。博物館は法(都市計画法)には記載がありませんが、都市計画法施行令の第21条(適正かつ合理的な土地利用及び環境の保全を図る上で支障がない公益上必要な建築物)第1項第17号にて、博物館の建築を目的とした開発行為は許可不要であることが記されています。
  3. × 誤り。ひっかけ問題。法第33条(開発許可の基準)第1項第8号にて、「土砂災害特別警戒区域」の土地を含まないことと記されていますが、本肢の「土砂災害警戒区域」の土地についての記載はありません。
  4. × 誤り。サービス問題。市街化調整区域の目的から考えて本肢は誤りであると容易に想像できます。
法第34条:前条(開発許可の基準)の規定にかかわらず、市街化調整区域に係る開発行為(主として第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為を除く。)については、当該申請に係る開発行為及びその申請の手続が同条に定める要件に該当するほか、当該申請に係る開発行為が次の各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ、都道府県知事は、開発許可をしてはならない。…(中略)… 第14号:前各号に掲げるもののほか、都道府県知事が開発審査会の議を経て、開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認める開発行為。

という訳で、正解は2です。

本問は難問。肢2は都市計画法以外(施行令)からの出題で、肢3は専門用語を少しだけ書き換えています。肢3(誤回答)を選んだ受験者は多かったと思います。気にせず、他の問で挽回しましょう。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。