今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和4年度の問48です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)
【問 48】 次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 建築着工統計調査報告(令和3年計。令和4年1月公表)によれば、令和3年の新設住宅の着工戸数のうち、持家は前年比で増加したが、貸家及び分譲住宅は前年比で減少した。
- 令和4年地価公示(令和4年3月公表)によれば、令和3年1月以降の1年間の住宅地の地価は、三大都市圏平均では下落したものの、それ以外の地方圏平均では上昇した。
- 令和4年版土地白書(令和4年6月公表)によれば、令和3年の全国の土地取引件数は約133万件となり、土地取引件数は対前年比は令和元年以降減少が続いている。
- 国土交通省の公表する不動産価格指数のうち、全国の商業用不動産総合の季節調整値は、2021年(令和3年)においては第1四半期から第4四半期まで連続で対前年比増となった。
解説 統計
- × 誤り。「貸家及び分譲住宅は前年比で減少した」部分が誤りで、正しくは「持家・貸家・分譲住宅ともに前年比で増加」です。
- × 誤り。「三大都市圏平均では下落した」部分が誤りで、正しくは「三大都市圏平均では上昇に転じた」です。
- × 誤り。「令和元年以降減少が続いている」部分が誤りです。一時期増加に転じており、近年は「ほぼ横ばいで推移」しています。
- ◯ 正しい → × 誤り。記述のとおりですが、「第1四半期から第4四半期まで連続で対前期比増となった」部分が、令和4年9月30日国土交通省発表のデータ改訂に伴い、第2四半期の対前期比は同年8月31日発表の「+0.7%」から「▲(マイナス)0.0%」に改訂されたため、肢4は「× 誤り」となり、結果として問48は正解肢のない問題となっていることが判明しました。このため宅建試験機関は問48については、全ての解答を正解として取り扱うこととする旨を発表しています。
という訳で、正解は4だけでなく、1,2,3でも正解です。
問46〜問50は、宅地建物取引業に従事する者が登録講習修了すると試験が免除される部分で、「業界の常識」が出題されます。非免除者にとってもサービス問題が多いので、取りこぼさないようしっかり勉強しておきましょう。
問48は毎回、土地・建物に関する統計が出題されます。土地取引件数(土地白書)、地価公示(国土交通省)の全国平均や用途平均、住宅着工統計(国土交通省)を確認し、数字よりも「前年比で増えたのか減ったのか」を押さえておきましょう。なお今回の出題については、肢4は難問ですが、肢1,2,3は過去問の出題傾向通りなので、消去法で正答に近づけたと思いますし、今回は前述のとおり「全肢が正解」となりました。