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ダイハツの認証不正が国内車種にも

ダイハツおよび親会社トヨタは19日、ロッキー ハイブリッドおよびライズ ハイブリッドについて、側面衝突試験の認証申請で不正行為があった旨を公表。同日付けで当該車両の出荷・販売を停止しました。

内容は、ポール側面衝突試験について左右の試験を実施すべきところ、左側(助手席側)の試験データをコピペし、右側(運転席側)の試験データとして虚偽提出していたもの。両社が先月公表した「海外市場向け車両について、側面衝突試験の認証申請で不正行為」を受けて、社内点検の過程で発覚しました。

先ずは、度重なる不正を隠蔽せず、迅速に公表している経営姿勢に敬意を評します。製造メーカーは一般的に、試験部門は開発工程の最終段階なので納期に追われやすくなります。しかも試験結果が合格であることを当然視されやすくなるので、組織として試験部門を重要視しモチベーション維持することが大切です。それを怠ると試験担当者が手抜き(試験省略、過去の試験データをコピペして虚偽報告、等)をしやすくなります。過去にも他社において、試験部門の不正が頻発しており、いずれも企業存亡に波及する大問題になっています。私のSNSでは何度も指摘していますが、消費者(社会)に背を向けた経営は決して長続きしません。初心に立ち返って再発防止に取り組んで欲しいと願っています。

さて、消費者側のことです。当該自動車の所有者には、販売店等から順次連絡が届くと思われます。知らずに使い続けて最悪の結果を招くことは避けられそうですが、所有者には今後一定の決断を迫られることになります。引き続き乗るか? 買取請求訴訟に踏み切るか? ダイハツには愛想を尽かして他社車両に買い換えるか? 自動車は高額商品であり、こんな決断を迫られるのは迷惑だと思いますが、車は人の命を乗せて走る商品。慎重に検討したうえでご決断を。

※2023/5/22 15:20 誤字を訂正しました。

https://www.daihatsu.com/jp/news/2023/20230519-5.html

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。