今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和3年度第2回の問32です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)
【問 32】 宅地建物取引業法第35条の2に規定する供託所等に関する説明についての次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、特に断りのない限り、宅地建物取引業者の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
- 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者の相手方に対して供託所等の説明を行う際に書面を交付することは要求されていないが、重要事項説明書に記載して説明することが望ましい。
- 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者が取引の相手方の場合においても、供託所等に係る説明をしなければならない。
- 宅地建物取引業者は、売買、交換又は貸借の契約に際し、契約成立後、速やかに供託所等に係る説明をしなければならない。
- 宅地建物取引業者は、自らが宅地建物取引業保証協会の社員である場合、営業保証金を供託した主たる事務所の最寄りの供託所及び所在地の説明をしなければならない。
解説 宅建業法(供託所等に関する説明)
- ◯ 正しい。
宅地建物取引業法第35条の2(供託所等に関する説明):宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者の相手方等(宅地建物取引業者に該当する者を除く。)に対して、当該売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、当該宅地建物取引業者が第64条の2第1項の規定により指定を受けた一般社団法人の社員でないときは第1号に掲げる事項について、当該宅地建物取引業者が同項の規定により指定を受けた一般社団法人の社員であるときは、第64条の8第1項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日前においては第1号及び第2号に掲げる事項について、当該弁済業務開始日以後においては第2号に掲げる事項について説明をするようにしなければならない。 第1号:営業保証金を供託した主たる事務所の最寄りの供託所及びその所在地 第2号:社員である旨、当該一般社団法人の名称、住所及び事務所の所在地並びに第64条の7第2項の供託所及びその所在地 国土交通省 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方:第35条の2関係(供託所等に関する説明について):法律上は書面を交付して説明することを要求されていないが、この事項を重要事項説明書に記載して説明することが望ましい。 - × 誤り。宅地建物取引業者に対して、供託所等に関する説明をする必要はありません。そもそも取引相手の宅地建物取引業者は、供託金(営業保証金)の還付を受けられません。
- × 誤り。ひっかけ問題。「契約成立後」部分が誤りで、正しくは「契約成立前に」です。
- × 誤り。ひっかけ問題。宅地建物取引業者が営業開始するには、「1.営業保証金を供託所に供託する、2.宅地建物取引業保証協会に加入して社員になる」のどちらかを選びます。宅地建物取引業保証協会の社員になった場合、供託所に営業保証金を供託することはないので、本肢の行為は無意味です。
と言う訳で、正解は1です。
肢1は、「国土交通省 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」からの出題なので難問ですが、他の肢が正誤判別容易なので、消去法で正答できると思います。