今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和3年度第2回の問41です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)
【問 41】 宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 宅地建物取引業者Aは、一団の宅地建物の分譲をするため設置した案内所には、契約を締結することなく、かつ、契約の申込みを受けることがないときでも、1名以上の専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
- 宅地建物取引業者Bは、その主たる事務所に従事する唯一の専任の宅地建物取引士が退職したときは、2週間以内に、宅地建物取引業法第31条の3第1項の規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。
- 宅地建物取引業者Cが、20戸の一団の分譲建物の売買契約の申込みのみを受ける案内所甲を設置した場合、売買契約の締結は事務所乙で行うとしても、甲にも専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
- 法人である宅地建物取引業者D社の従業者であり、宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有する20歳未満の婚姻歴のない宅地建物取引士Eは、D社の役員であるときを除き、D社の専任の宅地建物取引士となることができない。
解説 宅建業法(専任の宅建士)
- × 誤り。専任の宅建士の設置(法第31条の3)が必要な事務所とは、契約を締結し又はこれらの契約の申込みを受ける場所のこと(法施行規則第15条の5の2を参照)。本肢の場所はそれに該当せず、専任の宅建士を置く必要はありません。
- ◯ 正しい。法第31条の3(宅地建物取引士の設置)第1項:宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。)ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。 第2項:前項の場合において、宅地建物取引業者(法人である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。))が宅地建物取引士であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所等については、その者は、その事務所等に置かれる成年者である専任の宅地建物取引士とみなす。 第3項:宅地建物取引業者は、第1項の規定に抵触する事務所等を開設してはならず、既存の事務所等が同項の規定に抵触するに至つたときは、2週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。
- ◯ 正しい。締結、又は契約の申込みを受ける場所は「事務所」なので、専任の宅建士を置かなければなりません。
- ◯ 正しい。次の場合は「成年者である専任の宅建士」とみなされます。①個人業者自身が未成年の宅地建物取引士、②法人業者の役員である未成年の宅地建物取引士、③婚姻した未成年の宅地建物取引士。
という訳で、正解は1です。
専任の宅建士に関する問は、「事務所の定義」、「専任の宅建士になれる未成年者の条件」から出題されることが多いです。