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宅建試験問題解説(R3第2回問44)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和3年度第2回の問44です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)

【問 44】 宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明についての次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。

ア. 賃貸借契約において、取引対象となる宅地又は建物が、水防法施行規則第11条第1項の規定により市町村(特別区を含む。)の長が提供する図面に当該宅地又は建物の位置が表示されている場合には、当該図面における当該宅地又は建物の所在地を説明しなければならない。
イ. 賃貸借契約において、対象となる建物が既存の住宅であるときは、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要を説明しなければならない。
ウ. 建物の売買において、その建物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結などの措置を講ずるかどうか、また、講ずる場合はその措置の概要を説明しなければならない。

  1.  一つ
  2.  二つ
  3.  三つ
  4.  なし

解説 宅建業法(重要事項説明)

ア. △ 正しいと思われる。文中の「市町村の長が提供する図面」とは、防災ハザードマップのこと。そこには土砂災害や津波災害情報が含まれ、法35条に規定する重要事項の説明事項に該当します。
 但し、文中の「水防法施行規則第11条第1の規定」は存在せず、存在するのは「水防法施行規則第11条第1の規定」です。即ちこれは「誤植」又は「ほとんど誰も正答できない意地悪な出題」のどちらかです。ちなみに試験実施機関が発表する正解番号表は、本肢の正誤判断に影響されず正答とする配慮がされています。
イ. ◯ 正しい。記述のとおりです。建物状況調査(耐震診断)は任意ですが、調査していれば、その結果の概要を説明しなければなりません。
ウ. ◯ 正しい。瑕疵担保責任の履行に関する保証保険契約の締結その他の措置があれば、その概要を説明しなければなりません。

よって、正しいものは2つ又は3つなので、正解は2又は3です。

正解が複数あるのは異例ですが、試験本番では個々の問題の判別に悩まず、制限時間内に50問全部に解答するようにしましょう。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。