今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和3年度第2回の問45です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)
【問 45】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
- Aは、Bの承諾を得た場合には、Bに引き渡した新築住宅について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行わなくてもよい。
- Aは、基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して1月を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができない。
- Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結する場合、保険金額は2,000万円以上でなければならないが、Bの承諾を得た場合には、保険金額を500万円以上の任意の額とすることができる。
- Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結した場合、住宅の構造耐力上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分の瑕疵があり、Aが相当の期間を経過してもなお特定住宅販売瑕疵担保責任を履行しないときは、Bは住宅販売瑕疵担保責任保険契約の有効期間内であれば、その瑕疵によって生じた存在について保険金を請求することができる。
解説 住宅瑕疵担保履行法
- × 誤り。サービス問題。法制定目的に照らして、こんな個別対応がまかり通るはずがありません。常識に照らして考えて、本肢が誤りであることは容易に想像できます。
- × 誤り。「1月」部分が誤りで、正しくは「50日」です。 法第13条(自ら売主となる新築住宅の売買契約の新たな締結の制限):第11条第1項の新築住宅を引き渡した宅地建物取引業者は、同項の規定による供託をし、かつ、前条第1項の規定による届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結してはならない。…(以下、略)。
- × 誤り。サービス問題。法制定目的に照らして、こんな個別対応がまかり通るはずがありません。常識に照らして考えて、本肢が誤りであることは容易に想像できます。 保険金額は2,000万円以上です(法第2条(定義)第6項第3号)。
- ◯ 正しい。法第2条(定義)第7項第2号ロ:特定住宅販売瑕疵担保責任に係る新築住宅に住宅品質確保法第95条第1項に規定する瑕疵がある場合において、宅地建物取引業者が相当の期間を経過してもなお当該特定住宅販売瑕疵担保責任を履行しないときに、当該新築住宅の買主(宅地建物取引業者であるものを除く。第29条第2号を除き、以下同じ。)の請求に基づき、その瑕疵によって生じた当該買主の損害を塡補すること。
という訳で、正解は4です。
新築住宅は「住宅品質確保法」により、事業者が10年間、構造上の欠陥や雨漏りについて直すことを義務付けられています。しかし2005年11月、構造計算書偽造問題が発覚し、売主事業者が倒産。同法の穴が問題化したため、その対策として制定されたのがこの「住宅瑕疵担保履行法」で、自ら売主となる宅建業者、新築住宅の請負人となる建設業者は、資力確保措置が義務付けられました。比較的新しい法律であり、ほぼ毎回出題されますが、出題内容は限られているので、過去問を確認しておきましょう。