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宅建試験問題解説(R3第1回問27)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和3年度第1回の問27です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)

【問 27】 宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1.  個人Aが不正の手段により免許を受けた後、免許を取り消され、その取消しの日から5年を経過した場合、その間に免許を受けることができない事由に該当することがなかったとしても、Aは再び免許を受けることはできない。
  2.  免許を受けようとする個人Bが破産手続開始の決定を受けた後に復権を得た場合においても、Bは免許を受けることができない。
  3.  免許を受けようとするC社の役員Dが刑法第211条(業務上過失致死傷等)の罪により地方裁判所で懲役1年の判決を言い渡された場合、当該判決に対してDが高等裁判所に控訴し裁判が係属中であっても、C社は免許を受けることができない。
  4.  免許を受けようとするE社の役員に、宅地建物取引業法の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられた者がいる場合、その刑の執行が終わって5年を経過しなければ、E社は免許を受けることができない。

解説 宅建業法(免許の基準)

  1.  × 誤り。本肢の場合、免許を受けることができます。法第5条(免許の基準)第2号を参照。
  2.  × 誤り。復権を得た場合は、免許を受けることができます。法第5条(免許の基準)第1号を参照。
  3.  × 誤り。ひっかけ問題。控訴し裁判が係属中は、刑が確定していない状態なので、C社はまだ免許を受けることができます。ちなみに「係属」とは法律用語で、裁判所が審判中(判決が出ていない)の状態を意味します。法第5条(免許の基準)第5号:禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者。
  4.  ◯ 正しい。法第5条(免許の基準)第8号及び第12号を参照。

本問はサービス問題。宅建業法は消費者(買主・借主)を宅建業者から守るための法律です。その視点で考えれば容易に正答できたと思います。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。