今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和3年度第1回の問30です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)
【問 30】 宅地建物取引業者がその業務に関して行う広告に関する次の事項のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア. 宅地の販売広告について、宅地に対する将来の利用の制限について、著しく事実に相違する表示をしてはならない。
イ. 建物の貸借の媒介において広告を行った場合には、依頼者の依頼の有無にかかわらず、報酬の限度額を超えて、当該広告の料金に相当する額を受領することができる。
ウ. 複数の区画がある宅地の売買について、数回に分けて広告するときは、最初に行う広告に取引態様の別を明示すれば足り、それ以降は明示する必要はない。
エ. 賃貸マンションの貸借に係る媒介の依頼を受け、媒介契約を締結した場合であっても、当該賃貸マンションが建築確認申請中であるときは広告することができない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解説 宅建業法(広告等)
ア. ◯ 正しい。条文そのままですが、「著しくなければ事実に相違する表示でも良いのか?」と深読みしすぎて正誤判断を誤るかもしれません。宅建業法はしっかり勉強しておきましょう。
法第32条(誇大広告等の禁止)を参照。
イ. × 誤り。「依頼の有無にかかわらず」部分が誤りで、正しくは「依頼があれば」です。
国土交通省 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額 第9(第2から第8までの規定によらない報酬の受領の禁止):①宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、第2から第8までの規定によるほか、報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によつて行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。
ウ. × 誤り。サービス問題。広告を読んだ人が、最初の広告も読んでいるとは限らないので、条文を知らなくても本肢が誤りであることは容易に想像できます。
法第34条(取引態様の明示)を参照。
エ. ◯ 正しい。頻出のひっかけ問題。建築確認前にはすべての取引(自ら賃貸を除く)の広告はできませんが、建築確認前であっても貸借の契約締結はできます。
法第33条(広告の開始時期の制限)、法第36条(契約締結等の時期の制限)を参照。
よって、正しいものは二つであり、正解は2です。