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宅建試験問題解説(R6問6)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和6年度の問6です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)

【問 6】 Aの所有する甲土地にBを地上権者とする地上権(以下この問において「地上権」という。)が設定され、その旨が登記された後に、甲土地にCを抵当権者とする抵当権が設定され、その旨の登記がされた場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア. BがAとの売買契約に基づき、甲土地の所有権を取得したときは、本件地上権は消滅する。
イ. Aが死亡してBがAを単独相続し、甲土地の所有権を取得したときは、本件地上権は消滅する。
ウ. BがAとの代物弁済契約に基づき、甲土地の所有権を取得したときは、本件地上権は消滅する。
エ. BがAとの贈与契約に基づき、甲土地の所有権を取得したときは、本件地上権は消滅する。

  1.  一つ
  2.  二つ
  3.  三つ
  4.  なし

解説 民法(混同)
ア. × 誤り。Bが所有権と地上権を手に入れても、第三者の権利(Cの抵当権)が残っているので、地上権は消滅しません。 民法第179条(混同)第1項:同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
イ. × 誤り。Bが所有権と地上権を手に入れても、第三者の権利(Cの抵当権)が残っているので、地上権は消滅しません。 民法第179条(混同)第1項を参照。
ウ. × 誤り。Bが所有権と地上権を手に入れても、第三者の権利(Cの抵当権)が残っているので、地上権は消滅しません。 民法第179条(混同)第1項を参照。
エ. × 誤り。Bが所有権と地上権を手に入れても、第三者の権利(Cの抵当権)が残っているので、地上権は消滅しません。 民法第179条(混同)第1項を参照。

よって、正しいものはないので、正解は「4」です。

本件は難問。混同による権利消滅に対する例外規定まで覚えている受験者は少ないでしょうから、正答できなくても仕方ありません。気にせず次の問に臨みましょう。なお、「Cの抵当権が守られるのか」視点で考えた受験者は、結果的に正答できたかもしれません。難問を正答できると他受験者よりも得点が上がるので合格の可能性が高まります。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。