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宅建試験問題解説(R6問9)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和6年度の問9です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)

【問 9】 承諾に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1.  第三者が債務者との間で、債務者の債務につき免責的債務引受契約をする場合、債権者の承諾は不要である。
  2.  第三者が債務者との間で、債務者の債務につき併存的債務引受契約をした場合、債権者が第三者に承諾をした時点で、その効力が生ずる。
  3.  第三者が債権者との間で、債務者の債務につき併存的債務引受契約をした場合、債務者が第三者に承諾をした時点で、その効力が生ずる。
  4.  賃借人が賃貸借契約の目的物を第三者に転貸する場合、賃貸人の承諾は不要である。

解説 承諾

  1.  × 誤り。「債権者の承認は不要」部分が誤りです。免責的債務引受とは、債務者がAからBに代わり、Aは債務者でなくなること。冷静に考えれば、債務者Aが債権者の承諾なく「今日から債務者はBなので、私はもう関係ありません。」なんて通用するはずがありません。 民法第472条(免責的債務引受の要件及び効果)第3項:免責的債務引受は、債務者と引受人となる者が契約をし、債権者が引受人となる者に対して承諾をすることによってもすることができる。
  2.  ◯ 正しい。併存的債務引受とは、債務者が増えること。債権者がその併存的債務引受人を承諾すれば有効になります。 民法第470条(併存的債務引受の要件及び効果)第3項:併存的債務引受は、債務者と引受人となる者との契約によってもすることができる。この場合において、併存的債務引受は、債権者が引受人となる者に対して承諾をした時に、その効力を生ずる。
  3.  × 誤り。「債務者が第三者に承諾」部分が誤りで、債務者の承諾は不要です。 民法第470条(併存的債務引受の要件及び効果)第2項:併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。
  4.  × 誤り。サービス問題。「賃貸人の承諾は不要」部分が誤りで、正しくは「必要」です。大家さんに無断で又貸しは許されません。 民法第612条(賃借権の譲渡及び転貸の制限)第1項:賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。

本件は難問。肢4はサービス問題で容易に誤りだと判別できると思いますが、そこからの絞り込みが難しいです。肢2と肢3が逆の事を言っているので、どちらかが正解だと推測できたら、正答率は50%です。正答できなくても気にせず次の問に臨みましょう。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。