今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和6年度の問18です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)
【問 18】 次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 客席部分の床面積の合計が300㎡の映画館については、第二種住居地域内において建築することはできないが、準住居地域内においては建築することができる。
- 特定用途誘導地区内において、都市計画で建築物の高さの最高限度が定められていたとしても、特定行政庁が用途条又は構造上やむを得ないと認めて許可したものについては、当該最高限度を超えてよい。
- 計画しようとする建築物の天空率が、道路斜線制限、隣地斜線制限又は北側斜線制限に適合する建築物の天空率未満であれば、これらの制限は適用されない。
- 都市計画で建蔽率の限度が80%に指定されている区域かつ防火地域内にある耐火建築物について、建蔽率の限度を超えるためには、特定行政庁による許可を得る必要がある。
解説 建築基準法
- × 誤り。「準住居地域内においては建築することができる」部分が誤りです。準住居地域内においては、床面積200㎡以上の映画館は建築できません。 建築基準法第48条(用途地域等)第7項(準住居地域)、別表第2(用途地域等内の建築物の制限)(と)5を参照。
- ◯ 正しい。記述のとおりです。 建築基準法第60条の3(特定用途誘導地区)第2項:特定用途誘導地区内においては、建築物の高さは、特定用途誘導地区に関する都市計画において建築物の高さの最高限度が定められたときは、当該最高限度以下でなければならない。ただし、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したものについては、この限りでない。
- × 誤り。ひっかけ問題。「天空率未満であれば」部分が誤りで、正しくは「天空率以上であれば」です。天空率は建築基準法を隅々まで暗記していないと正答できない内容。しかし本肢記述では、天空率が「未満」なのに斜線規制が適用されないという不自然な文章になっているので、そこに気付いて「これは誤りに違いない」と推察できた受験者は流石です。 建築基準法第56条(建築物の各部分の高さ)第7項、建築基準法施行令第135条の5(天空率)を参照。
- × 誤り。 防火地域(建蔽率80%)であっても、耐火建築物なら例外規定により建蔽率100%になります。 建築基準法第53条(建蔽率)第6項第1号を参照。
本問は難問。建築基準法の細かな規定を暗記していないと正答は困難だったと思います。仮に正答できなくても気にせず、次の問題に臨みましょう。