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宅建試験問題解説(R4問7)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和4年度の問7です。(独自解説のため誤解答の場合はご容赦ください。)

【問 7】 不在者Aが、家庭裁判所から失踪宣告を受けた。Aを単独相続したBは相続財産である甲土地をCに売却(以下この問において「本件売買契約」という。)して登記も移転したが、その後、生存していたAの請求によって当該失踪宣告が取り消された。本件売買契約当時に、Aの生存について、(ア)Bが善意でCが善意、(イ)Bが悪意でCが善意、(ウ)Bが善意でCが悪意、(エ)Bが悪意でCが悪意、の4つの場合があり得るが、これらのうち、民法の規定及び判例によれば、Cが本件売買契約に基づき取得した甲土地の所有権をAに対抗できる場合を全て掲げたものとして正しいものはどれか。

  1.  (ア)、(イ)、(ウ)
  2.  (ア)、(イ)
  3.  (ア)、(ウ)
  4.  (ア)

解説 民法(失踪の宣告)

(ア)◯ 正しい。B・C共に善意なので、本件売買契約による所有権は、Aに対抗できます。しかしその前に、全ての肢に(ア)があるので、本肢は正しいことになります。

(イ)× 誤り。Bが悪意なので、本件売買契約による所有権は、Aに対抗できません。法第32条参照。

(ウ)× 誤り。Cが悪意なので、本件売買契約による所有権は、Aに対抗できません。法第32条参照。

(エ)× 誤り。B・C共悪意なので、本件売買契約による所有権は、Aに対抗できません。法第32条参照。
法第32条(失踪の宣告の取消し)第1項:失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。

よって、(ア)だけが正しいので、正解は4です。

本問は判例が含まれるので難問。しかし全ての肢に(ア)があるので(ア)が正しいことは分かります。次の可能性は「ア、イ、ウ、エの全てが正しい」ですがその肢はありません。後は常識に照らして「少なくともB、Cどちらかがが悪意なら、違法のはずだ」と判断できれば、結果的にそれが正答です。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。