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大丸別荘の不祥事、実に残念です。

老舗温泉旅館「二日市温泉 大丸別荘(福岡県筑紫野市)」の浴槽から最大基準値の3700倍ものレジオネラ菌が検出された件、実に残念です。

浴槽のレジオネラ菌基準値超えは、旅館業としてはあってはならない不祥事。なぜなら、法令に沿って清掃していれば、レジオネラ菌の基準値超えは防げるからです。

法令(公衆浴場における衛生等管理要領)では、「毎日完全に換水して浴槽を清掃する。これが難い場合にあっても、1週間に1回以上完全に換水して浴槽を清掃する」旨が定められています。大丸別荘はこれを怠り、年2回(休館日)しかしていなかったとのこと。

私たちが温泉旅館に宿泊する大きな目的は「食事と温泉」。しかしそれらは「食中毒・感染症」に直結する大きなリスクでもあるので、まともな旅館業者は法令に沿った衛生管理を行い続けています。それを続けると顧客から「信用」を得られます。大丸別荘は158年かけて築いてきた「信用」を自ら放棄してしまいました。常識ある顧客なら「これからも利用したい」とは思わないでしょう。つまり「信頼」も失ったわけです。大丸別荘のウェブサイトで同旅館のコメントを確認しましたが(2/24 16:00現在)、事の深刻さを理解しているとは思えない言い訳が掲載されていました。しかも、掲載日時が掲載されていないという無神経さ。現在の経営者は、商売の基本を理解していないようです。消費者に背を向けた経営は長続きしません。実に残念です。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。