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宅建試験問題解説(R4問45)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和4年度の問45です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)

【問 45】 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1.  宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、その住宅を引き渡す場合、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。
  2.  住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅の引渡し時から10年以上有効でなければならないが、当該新築住宅の買主の承諾があれば、当該保険契約に係る保険期間を5年間に短縮することができる。
  3.  自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者は、基準日から3週間を経過する日までの間において、当該基準日前10年間に自ら売主となる売買契約に基づき宅地建物取引業者ではない買主に引渡した新築住宅(住宅販売瑕疵担保責任保険契約に係る新築住宅を除く。)について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をしていなければならない。
  4.  宅地建物取引業者が住宅販売瑕疵担保保証金の供託をし、その額が、基準日において、販売新築住宅の合計戸数を基礎として算定する基準額を超えることとなった場合、宅地建物取引業法の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事の承認がなくても、その超過額を取り戻すことができる。

解説 宅建業法(住宅瑕疵担保履行法)

  1. × 誤り。この法律は、売主が宅地建物取引業者で買主が消費者(宅地建物取引業者でない者)に適用されます。本肢の様に買主が宅地建物取引業者の場合、この保険契約の締結義務はありません。
法第2条(定義)第7項第2号ロを参照。
  2. × 誤り。サービス問題。保険期間は10年以上と規定されており、期間短縮の例外規定はありません。仮にそんな規定があれば法が骨抜きになるので、本肢が誤りであることは容易に想像できます。
  3. ◯ 正しい。記述のとおりです。
法第11条(住宅販売瑕疵担保保証金の供託等)第1項を参照。
  4. × 誤り。「承認がなくても(中略)取り戻すことができる」部分が誤りで、正しくは「承認を受けなければ、取り戻すことができない」です。
    法第16条(第3章 住宅販売瑕疵担保保証金、準用):第7条から第9条までの規定は、供託宅地建物取引業者について準用する。
    法第9条(住宅建設瑕疵担保保証金の取戻し)第2項:前項の規定による住宅建設瑕疵担保保証金の取戻しは、国土交通省令で定めるところにより、当該供託建設業者又は建設業者であった者がその建設業法第3条第1項の許可を受けた国土交通大臣又は都道府県知事の承認を受けなければ、することができない。

という訳で、正解は3です。

住宅瑕疵担保履行法は、構造計算書偽装問題等で明らかになった課題のうち、消費者(宅地建物取引業者でない買主)を保護するため制定された法律です。出題範囲が狭いのでしっかり覚えましょう。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。