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宅建試験問題解説(R3第2回問3)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和3年度第2回の問3です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)

【問 3】 成年後見人が、成年被後見人を代理して行う次に掲げる法律行為のうち、民法の規定によれば、家庭裁判所の許可を得なければ代理して行うことができないものはどれか。

  1.  成年被後見人が所有する乗用車の第三者への売却
  2.  成年被後見人が所有する成年被後見人の住居の用に供する建物への第三者の抵当権の設定
  3.  成年被後見人が所有するオフィスビルへの第三者の抵当権の設定
  4.  成年被後見人が所有する倉庫についての第三者との賃貸借契約の解除

解説 民法(成年被後見人)

  1.  × 誤り。民法には乗用車の売却に関する規定はありません。そもそもこれは宅建士試験なので、乗用車に関するこの肢は候補から外しましょう。
  2.  ◯ 正しい。
    民法第859条の3:成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
  3.  × 誤り。民法にはオフィスビルへの抵当権設定に関する規定はありません。
  4.  × 誤り。民法には倉庫の賃貸借契約に関する規定はありません。

という訳で、正解は2です。

本問は民法第859条の3(成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可)からの出題。本条を勉強していなかった場合、「成年被後見人にとってどの選択肢が最も困るのか」に着目すれば正答に近づけます。全ての肢で不動産(資産)を失いますが、肢2は加えて自らの住む場所も失います。正解は肢2ですが、それを推理できた貴方はかなり鋭いです。

 

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。