今日のネタは、近年問題視され始めた特定有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)の水道水への混入について。
有機フッ素化合物(総称PFAS、数千種類ある)は、熱に強く成分が安定しているので、フライパンのコーティング材や消火剤など様々な工業製品に使用されてきました。しかし自然界で分解しにくく、発癌性など人体への影響が指摘されるようになり、我が国では令和3年10月から、化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)の第一種特定化学物質に指定され、製造・輸入が原則禁止されました。近年になり、PFASのうちPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)の特定有機フッ素化合物が、水道法の水質管理目標設定項目(水質基準項目に準じて検出状況を把握し、水道水質管理上留意すべき項目)に追加されました。水道法の水質基準(水道水が適合しなければならない基準)に追加されなかったのは、人体への影響がまだ明確化されていないためだと思われます。
しかし今年2月、東京都多摩地域の水道水源の井戸水から特定有機フッ素化合物が検出された問題で、都からの要望で国も必要な対策を検討しています。特定有機フッ素加工物は、工場や米軍基地等が汚染源ではと疑われており、今後の動向に目が離せません。