ぶらり途中下車の旅〜関東編(368)は、日比谷松本楼本店。東京都千代田区日比谷公園1-2、すなわち日比谷公園内にある老舗の洋食レストランです。
同店は明治36年、日比谷公園の開園に合わせて開業。当時流行の西洋料理屋として夏目漱石の小説(作品名”野分”)に登場したり、建物がGHQ宿舎に接収されたり等々、まさに歴史そのものです。
並ぶのが苦手は私は、11時の開店時間に合わせて訪問。1階グリル&ガーデンテラスにて、看板メニューの”ハイカラビーフカレー”と”松本楼の選べるビッグプレート”を注文。運ばれてきた料理のあまりの美味しさに、皆が無口になってしまいました。また、食後のコーヒーの際には、テラス越しに名所の”首掛けイチョウ”が見える事に気づき、何だか歴史の一場面にタイムスリップしたような錯覚を覚えました。
ところで、日比谷松本楼本店は”10円カレーの店”としても有名。昭和46年、沖縄返還協定反対デモが激化するなか、中核派が同店に放火し、同店は炎上焼失してしまいました。しかし、全国からの暖かい励ましに支えられて2年後の9/25日に復活。同店は感謝を込めてこの日を”10円カレーの日”とし、毎年この日の客(先着1500名)にカレーを10円で提供しています。しかも同店は、この売上をユニセフ等のに寄付しています。当日は店頭にもユニセフ募金箱が置かれるので、お客様もご支援ご協力をお願いします。食事代の10円だけ払って帰ってはいけませんよ。戦前なら”非国民”と呼ばれてしまいますよ。(訪問日1/29)