傘下の日野自動車に続きダイハツでも不正認証取得が発覚し、トヨタの製造業としての真価が問われています。
トヨタのような製造業は、他社との競争のなかで、より高品質かつ低コストな製品を設計・製造し続けています。その改善活動はある時点で物理的な限界を迎えますが、そのとき担当者の選択肢は、①視点を変えて更に改善する(革新)。②できないことはできないと言う(正直)、③不正を働き出来たことにする(嘘)。の3つがあります。これは同社に限ったことでなく、人の心の問題です。
①は技術力、②は勇気が必要で、持っていなかったり、納期や上司の圧力等に屈すると③を選んでしまう人がいます。そこで組織にはマネジメントが必要になり、従業員が③を選ばないよう、様々な仕組み仕掛けで取り組むのです。それでもマネジメントが上手くいかず、今回のように③を選んでしまったことが発覚し、消費者(顧客)をはじめとしたステークホルダー(企業、従業員、取引先、株主などの利害関係者)に多大な損害を与えてしまうことになります。
それでも法人としての同社は今のところ誠実です。不正が次々発覚してもそれを隠蔽せず、不正や不具合を正直に公表して謝罪し、直接損害の賠償に当たり、さらなる改善を行う姿勢を保っています。この「当たり前の行動」がいかに難しいかは、企業で勤務経験がある方なら容易に理解できると思います。
私たち消費者ができることは、不誠実な企業の製品・サービスを購入・使用しないことです。それが消費者が企業や製品・サービスを育てることにつながりますので。