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宅建試験問題解説(R5問16)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和5年度の問16です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)

【問 16】 都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、この問において条例による特別の定めはないものとし、「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

  1.  開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければならない。
  2.  開発許可を受けた者は、当該許可を受ける際に申請書に記載した事項を変更しようとする場合においては、都道府県知事に届け出なければならないが、当該変更が国土交通省令で定める軽微な変更に当たるときは、届け出なくてよい。
  3.  開発許可を受けた者は、当該開発行為に関する工事が完了し、都道府県知事から検査済証を交付されたときは、遅滞なく、当該工事が完了した旨を公告しなければならない。
  4.  市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内において、自己の居住用の住宅を新築しようとする全ての者は、当該建築が開発行為を伴わない場合であれば、都道府県知事の許可を受けなくてよい。

解説 都市計画法(開発許可)

  1.  ◯ 正しい。
都市計画法第32条(公共施設の管理者の同意等)を参照。
  2.  × 誤り。サービス問題。「都道府県知事に届け出なければならない」および「軽微な変更に当たるときは、届け出なくてよい」部分が誤りで、正しくは「都道府県知事の許可を受けなければならない」および「軽微な変更をしたときは、その旨を都道府県知事に届け出なければならない」です。都市計画法の目的は、都市の健全な発展と秩序ある整備であり、本肢のような許可だけ取ったら後の変更は事後報告や報告なしのはずがないので、本肢が誤りであることは容易に想像できます。 
都市計画法第35条の2(変更の許可等)を参照。
  3.  × 誤り。工事完了を広告するのは「開発許可を受けた者」ではなく「都道府県知事」です。公告とは国や公共団体が告知することであり、開発許可を受けた者(一般企業の可能性がある)は公告はできないので、本肢が誤りであることは想像できると思います。
  4.  × 誤り。「許可を受けなくてよい」部分が誤りで、正しくは「許可を受けなければならない」です。市街化調整区域の目的から考えて、自己の居住用の住宅を新築しようとする者ならば、許可不要なんておかしいと想像できるはずです。 
都市計画法第43条(開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限)を参照。

都市計画法(開発許可)からは毎回のように出題されますが、今回は矛盾ある文章が多かったので、都市計画法をあまり勉強していなくても、消去法で正答に近づけたと思います。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。