日銀が金融政策見直しを発表。金融機関の金利は少し上がりますが、大幅上昇はないと思われるのでご心配なく。*1
日本銀行は19日、政策委員会・金融政策決定会合において、金融政策を見直しを決定(文末リンク参照)。この決定が日本経済にとって良いのか悪いのかは、現時点ではわかりませんが、FPとして言えることは「金融機関の金利は少し上がりますが、大幅上昇はないと思われるのでご心配なく。*1」です。
先ず預金金利についてです。一部マスコミが「大手銀行が預金金利を20倍に」旨の報道をしていますが、惑わされてはいけません。これは三菱UFJ銀行と三井住友銀行がそれぞれ、3月21と4月1日から、普通預金金利を0.001%→0.02%に変更するという内容。利息額がどれだけ増えるかと言えば、例えば普通預金残高が100万円で計算すると、今までの利息は1年間に10円(税引後8円)だったものが、200円(同160円)になるだけです。そもそもが低金利なので変更後も利息額は小さいのです。
次に貸出金利、特に住宅ローン金利についてです。固定金利は変動ありません(当たり前!)。変動金利は金融機関が年2回(4月と10月)に見直し検討するので直ぐではありませんし、変動金利の検討根拠レートがほとんど変わらないので、大幅上昇はないと思います。*2
- *1 本見解は私見です。将来にわたって大幅金利上昇が無いことを断定するものではありません。
- *2 住宅ローン変動金利は、金融機関が決める短期プライムレートに連動します。その短期プライムレートは、無担保コールレートを参考に決定されます。無担保コールレートは、日銀が金融市場調節のため公開市場操作(オペレーション)を行う対象。金融自由化なのに、日銀が市場金利をある程度操作できるのはこの仕組みがあるからです。その無担保コールレートは、日銀の19日発表資料では0〜0.1%に誘導するとのこと。これは現状レートとほぼ同じなので、住宅ローン変動金利には今回、大きな上昇はないでしょうし、もし上昇しても0.1ポイント程度だと考えられます。
※9:04 誤字を訂正しました。【誤】担保コールレート→【正】無担保コールレート