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ファイナンス 消費生活問題

名義人死亡に伴う口座凍結と対策

今日のネタは、名義人死亡に伴う口座凍結と対策について。

口座凍結とは金融機関の口座を入出金できなくすること。口座名義人の死亡、認知症と認められた、債務整理対象、犯罪に利用された等の情報を把握すると、金融機関はその口座を凍結します。

このうち、名義人死亡に伴う口座凍結について、よく起きるトラブルは次の三つ。それぞれ対策を紹介します。

  1. 凍結前に引出して相続トラブル:名義人死亡に伴い口座凍結される前に、口座から出金して私的用途に使うと、共同相続人の間で相続トラブルに発展します。しかも法律上は単純承認したことになり、もしも名義人に巨額負債が判明してもその方だけは相続放棄できなくなります。葬儀費用等を引出すのであれば、領収証を保管して共同相続人と情報共有しましょう。
  2. 葬儀費用を引き出せない:葬儀費用に充てるお金がその口座にしかない場合、仮払制度があるので金融機関に相談しましょう。150万円を上限に、口座残高の1/3×申請者の法定相続分まで出金できます。仮払い手続の時間を要する(即出金ではない)ことは承知しておきましょう。
  3. 公共料金を引き落とせない:その口座から自動引落していた公共料金(電気・ガス・水道・テレビ等)は、自動引落できなかったタイミングで連絡が来ます。慌てず請求額を振込み、名義変更または解約手続きしましょう。

なお近年、口座凍結を騙った特殊詐欺が頻発しています。メールや電話等で口座凍結の話が来たら、ほぼ詐欺です。自身で真偽判断困難なら、信用している第三者または188(消費者ホットライン)に相談しましょう。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。