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宅建試験問題解説(R3第1回問29)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和3年度第1回の問29です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)

【問 29】 次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1.  宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者の氏名、従業者証明書番号その他国土交通省令で定める事項を記載した従業者名簿を備えなければならず、当該名簿を最終の記載をした日から5年間保存しなければならない。
  2.  宅地建物取引業者は、一団の宅地の分譲を行う案内所において宅地の売買の契約の締結を行わない場合、その案内所には国土交通省令で定める標識を掲示しなくてもよい。
  3.  宅地建物取引業者は、一団の宅地の分譲を行う案内所において宅地の売買の契約の締結を行う場合、その案内所には国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
  4.  宅地建物取引業者は、事務所以外の継続的に業務を行うことができる施設を有する場所であっても、契約(予約を含む。)を締結せず、かつ、その申込みを受けない場合、当該場所に専任の宅地建物取引士を置く必要はない。

解説 宅建業法(業務)

  1.  × 誤り。「5年間保存」部分が誤りで、正しくは「10年間保存」です。法第48条(証明書の携帯等)第3項、法施行規則第17条の2(従業者名簿の記載事項等)第4項を参照。
  2.  × 誤り。サービス問題。「標識を掲示しなくてもよい」部分が誤りで、正しくは「標識を掲示しなければならない」です。標識は「もぐり業者」を排除するためのものであり、どんな場所でも掲示が必要です。冷静に考えて、案内所に標識を掲示していない宅地建物取引業者(自身の素性を明かさない不動産屋!)なんて、契約業務云々の前に、近づかないのが無難です。法第50条(標識の掲示等)、法施行規則第19条(標識の掲示等)を参照。
  3.  × 誤り。ひっかけ問題。案内所には「報酬の額」の掲示義務がありません。法第46条(報酬)第4項:宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第1項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
法第50条(標識の掲示等)第1項:宅地建物取引業者は、事務所等及び事務所等以外の国土交通省令で定めるその業務を行う場所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。
国土交通省 宅地建物取引業者票様式を参照。
  4.  ◯ 正しい。法第31条の3(宅地建物取引士の設置)第1項:宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第50条第1項において「事務所等」という。)ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
法施行規則第16条の5(法第三十七条の二第一項の国土交通省令・内閣府令で定める場所)

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。