今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和3年度第1回の問35です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)
【問 35】 宅地建物取引士の登録(以下この問において「登録」という。)及び宅地建物取引士証に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア. 宅地建物取引士(甲県知事登録)が事務禁止処分を受けた場合、宅地建物取引士証を甲県知事に速やかに提出しなければならず、速やかに提出しなかったときは10万円以下の過料に処せられることがある。
イ. 宅地建物取引士(甲県知事登録)が宅地建物取引士としての事務禁止処分を受け、その禁止の期間中に本人の申請により登録が消除された場合は、その者が乙県で宅地建物取引士資格試験に合格したとしても、当該期間が満了していないときは、乙県知事の登録を受けることができない。
ウ. 宅地建物取引士(甲県知事登録)が甲県から乙県に住所を変更したときは、乙県知事に対し、登録の移転の申請をすることができる。
エ. 宅地建物取引士(甲県知事登録)が本籍を変更した場合、遅滞なく、甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解説 宅建業法(宅地建物取引士の登録)
ア. ◯ 正しい。法第86条(罰則)を参照。
イ. ◯ 正しい。常識で考えて、そんな抜け道が通用する訳がありません。法第17条の4(欠格条項)を参照。
ウ. × 誤り。ひっかけ問題。「登録の移転」部分が誤りで、正しくは「変更の登録」です。単に住所が変更になっただけなら「変更の登録(法第20条)」を申請しなければなりません。登録した都道府県とは異なる都道府県に所在する宅建業者に勤務する際は「登録の移転(法第19条)」をすることができます。
法第19条の2(登録の移転):第18条(宅地建物取引士の登録)第1項の登録を受けている者は、当該登録をしている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事し、又は従事しようとするときは、当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対し、当該登録をしている都道府県知事を経由して、登録の移転の申請をすることができる。ただし、その者が第68条第2項又は第4項の規定による禁止の処分を受け、その禁止の期間が満了していないときは、この限りでない。
法第20条(変更の登録):第18条(宅地建物取引士の登録)第1項の登録を受けている者は、登録を受けている事項に変更があつたときは、遅滞なく、変更の登録を申請しなければならない。
エ. ◯ 正しい。法第20条(変更の登録)を参照。
よって、正しいものは三つであり、3です。