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宅建試験問題解説(R3第1回問41)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和3年度第1回の問41です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)

【問 41】 宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「37条書面」とは、同法第37条の規定により交付すべき書面をいうものとする。

ア. Aが自ら売主として建物を売却する場合、宅地建物取引業者Bに当該売却の媒介を依頼したときは、Bは宅地建物取引士をして37条書面に記名押印させなければならず、Aも宅地建物取引士をして37条書面に記名押印させなければならない。
イ. Aが自ら売主として建物を売却する場合、当該売買契約に際し、買主から支払われる手付金の額が売買代金の5%未満であるときは、当該手付金の額の記載があれば、授受の時期については37条書面に記載しなくてもよい。
ウ. Aが売主を代理して建物を売却する場合、買主が宅地建物取引業者であるときは、37条書面を交付しなくてもよい。
エ. Aが売主を代理して抵当権が設定されている建物を売却する場合、当該抵当権の内容について37条書面に記載しなければならない。

  1.  一つ
  2.  二つ
  3.  三つ
  4.  四つ

解説 宅建業法(37条書面)

ア. ◯ 正しい。AもBも宅地建物取引業者なので、書面交付義務があります。
法第37条(書面の交付)第1項:宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、自ら当事者として契約を締結したときはその相手方に、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
イ. × 誤り。手付金は額の大小にかかわらず、37条書面に授受の時期を記載しなければなりません。
法第37条(書面の交付)第1項第3号、第6号を参照。
ウ. × 誤り。Aも買主も宅地建物取引業者なので、書面交付義務があります。
法第37条(書面の交付)第1項を参照。
エ. × 誤り。抵当権の内容は、37条書面ではなく、法第35条の重要事項説明書の記載事項(登記された権利の種類等)です。
法第35条(重要事項の説明等)、同第37条(書面の交付)を参照。

よって、正しいものは一つなので、正解は1です。

重要事項説明書と37条書面の記載事項の違いは頻出問題。重要事項説明書は宅地建物の権利を取得しようとする際の判断材料であり、37条書面はその宅地建物の権利移転内容を記した契約書です。試験当日までに、共通する記載事項と相違する事項をしっかり覚えましょう。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。