今日のネタは、『電気ジャーポットの温度表示は目安です』という話し。
先日実家で世間話しをしていたら、親が「ジャーポットで湯を沸かす際、『ピッー』と音がしたので、蓋の温度表示を見たら100℃になっていて、暫くしたら98℃に下がった。魔法瓶なのにどうして直ぐに温度が下がるのか?」旨の質問をされました。
どうやら、電気ジャーポットの表示温度は目安である事を知らなかったようです。取扱説明書を確認したら、確かに『表示温度は目安です』と書いてありました。
一般的に、水の沸騰温度が100℃だと知られていますが、それは気圧が1気圧だった場合の話し。実際には気圧、水に含まれる不純物(ミネラル、塩素、等)、ポットの加熱ヒーターの仕組み等の様々な要素があり、必ずしも100℃で沸騰するとは限りません。しかし、温度表示をそれを合わせて正確に表示し続けたらどうなるでしょう?かえって、メーカーにクレームや問い合わせが殺到すると思いませんか?『ピーッと鳴ったのに、温度表示が100℃にならない』とか『沸騰温度が101℃になっていた!故障では?』等です。つまり表示温度は、お客様が安心するよう「期待されるお約束の温度」を表示にしていると考えられます。(もちろん私見です。)
同様の事例は、日本車の燃料計にも見て取れます。満タンにすると、燃料計の針が『F(満タン)』の目盛を超えますよね。例えばドイツ車では、満タンにしてもFの目盛を超えることはありません(例:フォルクスワーゲン、ゴルフⅢ)。
多くの日本製工業製品は故障が少なく、使いやすいとの評判を得ていますが、安心して使えるよう、消費者の心理まで反映しているものもあります。厳密に言えば『小さな嘘』と言えなくもありませんが、消費者を不安にさせないための『おもてなしの心』だと思って、今後もご愛顧ください。