KYBグループが先週発表した「自社グループ製の建築用ダンパーの性能不足」については、免震・制振構造のマンション等にお住まいの皆さんには心配されていることと思います。
私が居住している共同住宅でも先日、掲示板に情報掲示があり、「当住宅では他社製の物を使っていた」とのこと。しかし、高度な製造技術を必要とするこの種の「建築物用免震・制振装置」は、製造できる企業が限られているので、今回はたまたまラッキーだっただけというのが私見です。
今回発表に至った経緯は、同社の検査現場での隠蔽行為が、社内通報制度により発覚したとのこと。重大な問題である事は間違いありませんが、企業姿勢として立派なのは、「企業法人として隠蔽しようとせず、①現時点の情報を隠さず発表し、②現時点の対応策をいち早く発表したこと」。
大手企業の従業員数は数千人から数十万人が働いているので、たった1人だけが不正を働いても、その発見・対策が遅れれば、その被害は甚大なものになり、個人が賠償可能な範囲を遥かに超えてしまいます。対策(交換)までに数年を要するとは言え、対策する事を表明した事は立派だと思います。