今日のネタは、「ホワイト国」って何?の話し。
日本政府は8/2、韓国を輸出規制の優遇国「ホワイト国」から除外する事を閣議決定しました。TV・新聞等のメディアの報道によれば、韓国側は論点を意図的にズラし、情緒に訴えた行動で大騒ぎしているようです。しかし、当該メディアは「ホワイト国って何?」と言う基本的な解説をほとんど行わず、情緒的に煽るものばかり。仕方ないので、私の経験を踏まえて要点を説明します。
そもそも当該「輸出規制」とは、
- 日本政府(実務は経済産業省)が行っている安全保障貿易管理の一部で補完的輸出規制(キャッチオール規制)のこと。
- 大量破壊兵器等に転用可能な「民生品」は、輸出業者は許可申請が必要です。
- 「輸出先国」の当該取組信頼度によって、申請許可の厳密度が異なる。具体的には、
- 許可申請の対象外(ホワイト国):アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、大韓民国、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、アメリカ合衆国
- 許可申請が必要な国(一般国):その他の国
- 申請許可されない国:アフガニスタン、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、イラク、レバノン、リビア、北朝鮮、ソマリア、南スーダン、スーダン
というものです。つまり、
(1) この「キャチオール規制」は日本政府の専権事項であり、そもそも他国(韓国)との協議事項ではない。
(2) 政府報道の通り、韓国に「大量破壊兵器への転用の恐れが否定できない」具体的事例があり、韓国がそれを否定する明確な証拠を提示できなかったなら、日本政府が韓国をホワイト国から一般国に変更するのは当然の処置。
(3) 韓国がすべき行動はただ一つ。キャッチオール規制に違反していない具体的証拠を提示すること。
というものです。一部メディアの報道はこの論点とは異なり、情緒的に煽る報道を繰り広げています。皆さんは流されないようご注意ください。