今日のネタは、契約の基礎知識。「新型コロナだから」と言えば何でもキャンセル料なしで解約できる訳ではありません。
新型コロナウィルス感染症の感染拡大が国内で問題になり始めた年明け以降、急増していると思われるのが「予約キャンセル料をめぐるトラブル」。例えば、
- 新型コロナが心配で、クルーズ船旅行を直前にキャンセルしたら、旅行代理店から解約料100%請求された。
- 新型コロナが心配で、エステに通えない。残っている回数券の返金を申し出たら、そんな制度はないと拒否された。
- 新型コロナが心配で、結婚披露宴を直前に中止しようとしたら、式場から解約料100%と言われた。
いずれも、契約の基礎知識不足に起因する消費者トラブルです。「契約」は法的な責任が生じる「約束」。いったん契約成立すると、一部の例外を除いて、一方的な理由でやめることはできません。そして残念ながら「新型コロナ」はその「一部の例外」には含まれません。
決してやってはいけないのが、「新型コロナだから、キャンセル料無料が当然」との先入観から、契約相手(事業者)に対して高飛車に出ること。交渉がこじれるのは必至です。上手なやり方は、契約相手に「新型コロナなので何とかならないか」と下手に出て譲歩を願い出ることです。契約規定の解約料より安くできる可能性があります。交渉のやり方が分からなかったり、少しでも不安だったら、あなたがお住まいの地区の消費者センター(☎︎188)に相談しましょう。(※相談先は、契約相手(事業者)の所在地にある消費者センターではありません。)