今日のネタは、BPOが発表したテレビ朝日の放送倫理違反に関する所感。放送内容を鵜呑みにしてはなりません。
BPO(放送倫理・番組向上機構)内の放送倫理検証委員会は9月2日、テレビ朝日のニュース番組「スーパーJチャンネル」が昨年3月15日に放送した番組の一部に放送倫理違反があったとして委員会決定内容を公表しました。
問題部分は、業務スーパーの買い物客に密着した特集で、実はその買い物客の主な4人は取材ディレクターが手配した役者だったとのこと。報道番組としてあってはならない事で実に残念です。
民法テレビ局はこのところ未曾有の危機。インターネット広告に主導権を奪われTVCM収入は減る一方。番組制作費は減らされ、それでも番組放送時間は埋めなければなりません。番組制作には効率化とクオリティ維持の両立が求められますが、買い物客は素人。報道番組のクオリティを満たすコメントなど簡単に撮影できる訳がありません。取材ディレクターに悪魔が囁いた事は容易に想像できます。
BPOは毎年度、数件の放送倫理違反を公表しています。それらの根本原因には傾向があり、「①時間&予算不足 ②倫理規定認識不足 ③政治的確信犯」などに分類されます。いずれも放送法に違反する可能性もあり、まさに「放送人としての倫理」が問われます。
一方、私たち視聴者が心掛けなければならないのは、「TV放送が全て正しいとは限らない」という認識を持つ事。内容を鵜呑みにせず、疑ってかかり、自身で確認する等の自衛意識を持ちましょう。賢い消費者と賢い視聴者は共通するものがありますから。