今日は火災保険ネタ。
マイホームを手に入れたら、万一の事態に備えて火災保険に加入しますが、その契約内容には要注意点があるのをご存知でしょうか?気づかず放置していると、万一の際に保険金額が予想より少なく、マイホームの再取得資金が足りなくなる事が危惧されます。その要注意点とは「再取得価額保証」。
火災保険は損害額を補填する損害保険なので、多額の保障額に加入していても、実際の損害額を超えて保険金が支払われることはありません。ここが生命保険との大きな違いなので押えておいてください。
その損害額の計算根拠になるのは契約対象となる建物の価値ですが、建物は経過年数によって価格が減っていきます。いわゆる時価、中古価格です。そのため、この中古価格に対して損害を補填する基本契約になっていると、再び同等の家屋を新築するのに必要な保険額が支払わない事になります。こうした保障を「時価保障」と言います。民間損保会社の基本契約はこれが多いはずです。
一方、同等の家屋を新たに取得するために必要な額を保障するものを「再取得価額保障(または再調達価額保障)」と言います。例えば、全労済のすまいる共済がこのタイプです。また、民間会社の火災保険の新価特約(再取得価額保障特約)がこれに相当します。
つまり要注意点とは、マイホームを取得した際に加入した火災保険の契約内容が、上記「再取得価額保障」契約になっているか?という事です。マイホームを取得した際、様々な契約書にサインしたと思いますが、その中で販売会社がすすめる火災保険に内容をよく理解しないままサインした方は、今すぐ確認をオススメします。確認方法は簡単。契約した損保会社に電話して契約番号を伝え、時価保障契約なのか新価特約付きなのかを確認するだけです。もしも、時価保障の基本契約のみだったら、急いで契約内容を見直す事をオススメします。
蛇足ですが、火災保険の特約に地震保険があります。地震は同時に広い範囲で家屋に対して損害を与えるので、保険設計が難しいのです。そのため地震保険特約は、火災保険補償額に対して30%~50%の範囲でしか支払われません。被災した地に家屋を再取得するのではなく、被災後の生活再建という主旨だと思ってください。でも地震で被災した際であっても、再取得価額を維持したい方は、別契約で小額短期保険の地震保障保険等を検討してみてはいかがでしょうか。
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