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個人型確定拠出年金(iDeCo)のすすめ

確定拠出年金(DC)は2001年から始まった私的年金。企業型確定拠出年金はすでに600万人近くの方が加入していおり(2017/3現在:厚生労働省資料)、個人で積み増ししている方も多いと思います。また、個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)は2017年1月から対象者が公務員や主婦にも広がり、原則として全ての現役世代が加入可能になりました。50万人近くの方が利用しています(同)。イデコは大変魅力的な制度ですが、要注意点もあります。今日の話題はイデコに関するポイント3点です。

メリット:掛金全額が所得控除

イデコの掛金は全額が所得控除されるので、所得税ならび住民税の軽減が図れます。また満期金は退職所得控除の対象になるのですが、拠出期間が10年に満たない場合は60歳定年退職時に受け取れず、数年後の受取りになります。つまり退職金の受取り時期とずれる事になるので、退職時に退職所得控除枠を目一杯使い切ってしまうと、数年後のイデコのお金が課税対象になってしまいます。退職金の一部を企業年金化できる方は、イデコの額も計算したうえで退職金の現金化を検討しましょう。

デメリット:運用指図は自己責任

運用商品は、選んだ金融機関が用意する金融商品から選びます。金融商品を運用途中で変更する事も可能ですが、それらの選択は全て自己責任です。一般的には、退職がまだまだ先の場合はハイリスクハイリターン商品で運用し、退職が数年後に近づいてきたら元本保証商品に切り替えて、受取予定金額を確実なものにするのが定石です。

注意点:金融機関によって手数料が異なる

イデコの最大の注意点は、金融機関によって手数料が異なる事です。厳密には手数料の内訳は3種類あり、上部団体に支払う分はどの金融機関も同じなのですが、その金融機関自体に支払う手数料部分だけが大きく異なります。よって、この手数料が安くて、希望の金融商品がある金融機関を選ぶのが定石です。金融機関によっては、ある程度の残高があればこの手数料部分が無料の場合もあります。例えば、退職時に企業型確定拠出年金の拠出期間が10年未満で、イデコに切替る方の場合、金融機関を変更することで、前出の手数料部分が下がる可能性があります。手数料と金融商品を良く比較したうえで金融機関を選ぶことをオススメします。

作成者: Takahiro

きくちたかひろ
消費生活アドバイザー&ファイナンシャルプランナー&宅地建物取引士。「賢い消費者」を応援する各種お役立ち情報を、趣味の街歩きや資格情報も織り交ぜて発信しています。なお相談対応は、紹介のある方に限らせていただいています。