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注意:もらい火は出火元の火災保険で保障されません

今日のネタは「もらい火の際の火災保険」。

築地場外市場で今月3日に発生した火事は、木造密集地の店舗7棟を全焼する事態となりました。報道によると出火原因は、ラーメン店のコンロの熱が近くの壁を伝わって発火する「伝導加熱」というあまり聞かない現象らしいとのこと(*1)。原因はどうあれ、焼失した家屋や家財の復旧には、自身が火災保険に加入していることが不可欠です。

なぜなら、もらい火の際、出火元の家の火災保険では、自身の家は保障されないからです。「失火責任法」という法律により、隣近所の家に延焼したとしても、出火元の家に重大な過失がない限り、失火元の家主はその責任を負わなくて良いことになっています。てゆーか、火事が大規模の場合、現実問題として延焼先まで損害賠償するのは難しいですよね。つまり、自分自身がどんなに気をつけていても、隣家からのもらい火で焼けてしまうことがあり得るので、火災保険は必ず入っておくことが重要です。

次に、火災保険には焼け太りはないということ。先程の築地場外の出火原因を例にすると、伝導加熱が「失火」でなく「重過失」と仮に判定されると、もらい火を受けた人は、出火元の人に対して損害賠償を請求できます。しかし、自身が加入する火災保険の支払額がその分相殺され、合計額が増えることはないのです。損害保険は損害を受けた分を金銭で補填する保険商品だからです。

いずれにしても火災保険は、いざという時に助かる商品。必要額に過不足なく加入しておきましょう。

*1 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170805/k10011088211000.html