今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和5年度の問23です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)
【問 23】 印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、以下の契約書はいずれも書面により作成されたものとする。
- 売主Aと買主Bが土地の譲渡契約書を3通作成し、A、B及び仲介人Cがそれぞれ1通ずつ保存する場合、当該契約書3通には印紙税が課される。
- 一の契約書に土地の譲渡契約(譲渡金額5,000万円)と建物の建築請負契約(請負金額6,000万円)をそれぞれ区分して記載した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は1億1,000万円である。
- 「Dの所有する甲土地(時価2,000万円)をEに贈与する」旨を記載した贈与契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は、2,000万円である。
- 当初作成の「土地を1億円で譲渡する」旨を記載した土地譲渡契約書の契約金額を変更するために作成する契約書で、「当初の契約書の契約金額を1,000万円減額し、9,000万円とする」旨を記載した変更契約書について、印紙税の課税標準となる当該変更契約書の記載金額は、1,000万円である。
解説 印紙税
- ◯ 正しい。基本問題。不動産の売買契約書の場合、3通とも課税文書です。 印紙税法第2条及び別表第1、印紙税法基本通達第20条(契約当事者以外の者に提出する文書)を参照。
- × 誤り。「1億1,000万円」部分が誤りで、正しくは「6,000万円」です。一の契約書に不動産の売買契約と請負契約が併記されている場合、原則は売買契約額に対して課税され、請負契約の方が高額なら請負契約金額に対して課税されます。 印紙税法基本通達第24条(記載金額の計算)(2)を参照。
- × 誤り。「記載金額2,000万円」部分が誤りで、正しくは「記載金額のないもの」です。なおその印紙税額は200円です。 印紙税法基本通達第23条(契約金額の意義)(1)ホを参照。
- × 誤り。「記載金額1,000万円」部分が誤りで、正しくは「記載金額のないもの」です。なおその印紙税額は200円です。 印紙税法基本通達第30条(契約金額を変更する契約書の記載金額)第2項を参照。
今回は宅地建物取引業の基本から出題されたので、正答できた受験者は多かったと思います。印紙税からの出題は2~3年に一回の頻度。出題されそうな年は特に重点的に勉強しておきましょう。