イングリウッド社の景表法違反の顛末

今日のネタは、イングリウッド社の景品表示法違反事件についての顛末。

 消費者庁は9月19日、同社が運営する冷凍宅配食「三ツ星ファーム」について、景品表示法違反の疑いがあるとして、是正措置計画を策定・申請するよう通知していましたが(これを確約手続きと言います。)、同社から確約計画が申請されたため、消費者庁はこれを認め、発表に至りました。
 これにより同社は、長期の審査や訴訟を回避し、迅速な問題解決を図る見通しです。なお確約計画には、対象期間に本件商品を購入した一般消費者に対して、購入金額の一部を返金することも含まれます。
 そもそも事の発端は、同社が運営する冷凍宅配食「三ツ星ファーム」において、
①令和3年6月16日〜令和6年8月9日までの間、自社Webサイトにおいて、例えば「ご好評につき3冠達成!」など、客観的な調査に基づかない表示を行なっていた。(優良誤認表示)
②令和5年10月1日〜令和6年8月19日まで間、自社Webサイトに表示した第三者のInstagram(写真主体のSNS)投稿が、実は対価提供を条件に第三者にInstagram投稿依頼したものだった。(ステマ広告(ステルスマーケティング広告)で、要はサクラ行為なので景品表示法で禁止されています。)
というもの。本件とは別に、同社提携先である味の素の冷凍宅配食「あえて、」でも、同様のステマ広告が消費者庁から指摘され、味の素は是正計画を提出済みで、その旨も発表しています。
 イングリウッド社は20年前に起業したBtoCのDX会社(デジタル技術を用いて業務効率化を進める会社)。業務成果を追い求める余り、嘘の宣伝手法に手を染めてしまったようです。心配なのは、同社のウェブサイトには本件の発表が見当たらず、都合の悪い事実を隠蔽する体質が見え隠れすること(2025/9/22 14:00現在)。消費者に背を向けた商売は長続きするはずもなく、今回の事態に至った根本原因に早く気づいて、再出発を図って欲しいと祈っています。
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_250919_02.pdf

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