今日のネタは、不動産投資の注意点。個人事業主が投資できる程度の小規模賃貸経営に絞って解説します。
不動産投資は金融商品の一つ。金融商品の3要素(安全性・流動性・収益性)で表現すると、安全性・収益性はそこそこで、流動性が低いので、長期・安定資産運用に向いています。生命保険会社が顧客から預かった保険料を不動産投資に回すのもこれが理由です。さて、不動産投資を小規模賃貸経営に絞ってその長短を列挙すると、次のようになります。
◯1. 現物資産である(株式のように消えてなくなるリスクが少ない)
◯2. 副業でできる(煩雑な管理業務を管理会社に委託できる)
◯3.相続対策になる(不動産の相続評価額は実際より低く計算される)
×1. 投資金額が高額(ローンを組んで投資する場合、完済できるか判断が難しい)
×2. 空室リスク(空室になっても、管理費・固定資産税の負担は続く)
×3. 入居者リスク(賃借人がクレーマーや家賃滞納者だと最悪)
×4. 老朽化リスク(修繕費は漸増し、家賃収入は漸減する傾向)
×5. 流動性が低い(売却して現金化するには少なくとも数ヶ月を要する)
注意点は、近年の不動産投資環境の悪化。土地価格・建築費用の高騰やローン金利の上昇傾向で実質利回りが低下しています。首都圏では現在、中古アパートや中古マンションを購入して賃貸経営しようにも、実質利回りが2%に届かないのが現実。これでは投資する意味合いが薄れてしまいます。それでも不動産投資したいなら、資産価値を維持できそうな物件を厳選し、不良物件化しそうなら手を出さないことです。
次に、物件価値を維持・向上するための追加投資です。例えば、温水洗浄便座、Wi-Fiルーターは今や必須設備。ファミリー向け物件なら全自動給湯器や食器洗浄機も導入したいです。仮に保有物件の収支改善案が見通せないなら、収支がマイナスになる前に売却するのも選択肢の一つです。
最後に、上記デメリットのいくつかは、管理会社に委託したり家賃保証会社を利用することで回避できますが、その分経費が増え収支が悪化します。
いずれにしても今の状況下で賃貸経営は楽ではありません。首都圏は仕入価格や経費が高騰し、地方では入居希望者が減少傾向です。とにかく仕入れの際に不良物件を掴まず、物件価値の維持向上に努め、不良入居者に振り回されないよう努力しましょう。
※画像は賃貸住宅のイメージ。本文とは関係ありません。
