今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和6年度の問22です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)
【問 22】 国土利用計画法(以下この問において「法」という。)第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)及び法第27条の7の監視区域内の届出(以下この問において「事前届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市にあってはその長をいうものとする。
1. Aが所有する市街化区域以外の都市計画区域内の4,000㎡の土地について、宅地建物取引業者Bが地上権の設定を受ける契約を締結した場合、Bは事後届出を行わなければならない。
2. 宅地建物取引業者Cが所有する市街化区域内の3,000㎡の土地と宅地建物取引業者Dが所有する都市計画区域外に所在する12,000㎡の土地を金銭の授受を伴わずに交換する契約を締結した場合、C及びDはともに事後届出を行う必要はない。
3. 事前届出又は事後届出が必要な土地について、売買契約を締結したにも関わらず所定の期間内に当該届出をしなかった者は都道府県知事からの勧告を受けることがあるが、罰則の適用を受けることはない。
4. 監視区域に指定された市街化区域内に所在する土地2,500㎡について売買契約を締結しようとする事業者は、契約締結の少なくとも6週間前までに事前届出を行わなければならない。
解説 国土利用計画法
1. × 誤り。事後届出は不要です。「地上権の設定契約」、届出を必要とする土地取引に該当します。本肢の土地は、市街化区域以外の都市計画区域内(つまり、市街化調整区域・非線引都市計画区域)なので、その届出対象面積は5,000m²以上。よって、本肢は事後届出は不要です。 国土利用計画法第23条(土地に関する権利の移転又は設定後における利用目的等の届出)第2項を参照。
2. × 誤り。事後届出は必要です。「金銭の授受を伴わずに交換する契約」は「土地売買等の契約」に該当します。市街化区域(2,000m²以上)、 都市計画区域外(10,000m²以上)とも事後届出の対象です。 国土利用計画法第14条(土地に関する権利の移転等の許可)ならび第23条(土地に関する権利の移転又は設定後における利用目的等の届出)第2項を参照。
3. × 誤り。罰則の適用を受けます。サービス問題。国家の土地を利用規制する法律を無視する者に罰則がないはずがありません。届出をしなければ勧告のしようがありませんが、後で発覚した際に、6か月以下の懲役又は100万円以下の罰金が課せられます。 国土利用計画法第47条(罰則)を参照。
4. ◯ 正しい。記述のとおりです。監視区域の場合、届出対象面積は市街化区域の場合で2,000m²以上なので、本肢は事前届出が必要です。かつ、事前届出してから6週間は契約ができません。 国土利用計画法第27条の7(監視区域における土地に関する権利の移転等の届出)を参照。
国土利用計画法は、総合的かつ計画的な国土の利用を図るための法律。事後届出が必要な条件と地域別の届出対象面積は必ず記憶しておきましょう。
・市街化区域:2,000m²以上
・市街化調整区域・非線引都市計画区域:5,000m²以上
・都市計画区域外・準都市計画区域:10,000m²以上