宅建過去問解説(R7問9)

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宅建過去問解説(令和7年度)

今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和7年度の問9です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)

【問 9】 連帯債務者の一人について生じた次の事由のうち、民法の規定によれば、他の連帯債務者に対して効力が生じないものとして正しいものはどれか。なお、この問において、連帯債務者の一人について生じた事由が他の連帯債務者に対して効力が生じる旨の別段の意思表示はないものとする。
1. 債権者がした連帯債務者の一人に対する履行の請求
2. 連帯債務者の一人と債権者との間の混同
3. 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者がした相殺の援用
4. 連帯債務者の一人と債権者との間の更改 

解説 民法(連帯債務)
1. ○ 正しい。債権者が連帯債務者の一人に対して履行の請求をしても、他の連帯債務者に対して効力が生じません。 民法第436条(連帯債務者に対する履行の請求)を参照。
2. × 誤り。他の連帯債務者に対して効力が生じます。混同(債権者と債務者の法律上の地位が同一になること)があったときは、その連帯債務者は弁済をしたものとみなされるので、その分だけ他の連帯債務者の債務額が減ります。 民法第440条(連帯債務者の一人との間の混同)を参照。
3. × 誤り。他の連帯債務者に対して効力が生じます。相殺(債務者が債権者に対して反対債権を行使する)すると、弁済と同じことなので、その分だけ他の連帯債務者の債務額が減ります。 民法第439条(連帯債務者の一人による相殺等)を参照。
4. × 誤り。他の連帯債務者に対して効力が生じます。更改(古い契約を消滅し、新しい契約にすること)すると、その債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅します。 民法第438条(連帯債務者の一人との間の更改)を参照。

 本問は難問。連帯債務(民法第436条~第445条)からは数年に一度程度しか出題されません。前回出題されたのは2021年10月試験の問2で、この過去問をおさらいしていた受験者は正答できたと思いますが、勉強していないとお手上げだったと思います。

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