今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和6年度の問49です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)
【問 49】 土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 30度以上の角度をなす斜面を背後に控える宅地は、崖面への保護対策を講じるか、擁壁を設けるなどの必要がある。
2. 高さ2m以下の擁壁であれば、水抜き孔を有しなくても、地震による被害が生じることはない。
3. 重力式擁壁は、擁壁の自重により、背面からの土圧に抵抗するコンクリート構造物である。
4. 工場跡地や埋立地などでは、重金属や揮発性有機化合物などによる土壌汚染が問題となることがある。
解説 土地
1. ◯ 適当。盛土規制法からの出題。静岡県熱海市で令和3年に発生した盛土崩落・土石流災害を踏まえ、宅地造成工事規制法を抜本的に改正して、宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)とし、令和5年5月26日に施行されました。同法は、土地の用途にかかわらず、危険な盛土等を包括的に規制しています。 盛土規制法施行令第15条(崖面及びその他の地表面について講ずる措置に関する技術的基準)を参照。
2. × 最も不適当。「ない」と断定的に言っているので、本肢が最も不適当(正解肢)だと容易に想像できると思います。
3. ◯ 適当。記述のとおりで、重力式擁壁は土圧に抵抗するものです。ちなみにダムも同じく重力式擁壁ですがこちらは水圧に抵抗するものです。
4. ◯ 適当。一例として、東京都の築地市場を豊洲へ移転検討した際、移転予定先である東京ガス工場跡地で土壌汚染と地下水汚染が発覚し、対策のため移転計画が遅延したことがありました。それを思い出した受験者は、本肢が適当だと想像できたと思います。
本問はサービス問題でした。問49は毎年、土地に関する知識が出題されます。出題内容は限られており、常識でほぼ正答できるはずです。過去問をおさらいしておけば、正答できる可能性はさらに高くなると思います。