今日のネタは、宅建試験の過去問解説。令和6年度の問37です。(独自解説のため誤解説の場合はご容赦ください。)
【問 37】 宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
ア. 建物の貸借の媒介を行う場合、水防法施行規則第11条第1号の規定により市町村の長が提供する水害ハザードマップに当該建物の位置が含まれているときは、その所在地を示して説明しなければならない。
イ. 既存住宅の売買を行う場合、宅地建物取引業法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査の実施後、1年を経過していないものについては、建物状況調査の実施の有無、実施している場合の結果の概要について説明しなければならない。
ウ. 宅地の売買を行う場合、宅地の造成に関する工事の完了前のものであるときは、完了時における当該宅地に接する道路の構造及び幅員を説明しなければならない。
エ. 建物の貸借の媒介を行う場合、私道に関する負担の有無や内容を事前い調査し、説明しなければならない。
1. 一つ
2. 二つ
3. 三つ
4. 四つ
解説 宅建業法(重要事項の説明等)
ア. ◯ 正しい。サービス問題。その物件が水害ハザードマップに含まれているなら、そこに住もうと検討している相手に説明が必要なことは容易に想像できると思います。 法第35条(重要事項の説明等)第1項第14号 および 法施行規則第16条の4の3(法第35条第1項第14号イの国土交通省令・内閣府令及び同号ロの国土交通省令で定める事項)第3の2号を参照。
イ. ◯ 正しい。既存住宅が建物状況調査を1年以内(鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅の場合は2年以内)に行っていた場合、その概要を説明しなければなりません。 法第35条(重要事項の説明等)第1項6号の2イ および 法施行規則第16条の2の2(法第35条第1項第6号の2イの国土交通省令で定める期間)を参照。
ウ. ◯ 正しい。宅地造成工事の完了前なので接道義務(建築基準法)を満たすことを説明しなければなりません。 法第35条(重要事項の説明等)第1項5号 および 法施行規則第16条(法第35条第1項第5号の国土交通省令・内閣府令で定める事項)を参照。
エ. × 誤り。ひっかけ問題。建物を貸借する場合、私道負担に関する説明義務はありません。土地を貸借する場合は、私道負担に関する説明義務があるので、それとの混同を狙ったひっかけ問題です。
よって正しいものは三つなので、正解は3です。
本問は難問。個数問題でかつ法第35条の細かい部分から出題されました。しっかり勉強して本問を正答できた受験者は、合格に近けたと思います。